鍼灸臨床コラムB「教員に求められる資質」

椎間板ヘルニア性の腰痛に対するマッケンジー法の本当の意味は、椎間円板の髄核という、柔軟性のある部分に腰をやや曲げた姿勢になると後ろ側に移動させようとする力が働き、脊柱管に対して圧力が高まるということにあります。
その高まった圧が神経刺激などに関わるというところにあります。

ロビン・マッケンジーさんが書かれた本のタイトルは、自分で治せる「腰痛改善」です。

「自分で治せる」という意味は、「自分でも治せる」ではなく、「自分だから治せる」なのです。
専門家の如何に良い治療を受けても、日常生活において逆のマイナス要因を沢山持っていたら良くならないのです。
本人自身が理解し生活そのものを改善させなければならないのです。

腰をちょっと曲げた姿勢は、椅子生活が最も大きな原因です。
前屈みになっての椅子坐位姿勢で過ごす時間が、現代生活の中で長いのです。
腰を背中をしゃんと伸ばした椅子坐位姿勢が必要です。
マッケンジー法は、そのことを伝えています。

マッケンジー法を学んだ時、鍼灸を指導する教員としては、マッケンジー法の運動のみを教えたら、教員の資質に欠けます。
当然、@鍼灸治療を受ける姿勢にも関わることであり、A患者自身の生活のあり方の指導をしないとならないわけです。

この@、Aができるかできないかは、教員としての大きな分かれ道です。
臨床家としても大きな分かれ道です。

単なる知識ではなく、そのことが持つ意味を理解し伝えることが発展できる本当の仕事です。