困難こそが、新しい展開のエネルギー

 困難こそが、新しい展開のエネルギー

    ー自らの怠慢に気付かされてー

 

困難に直面して困ったと思い、何とかしなければと懸命になる。
その時にようやく本気になり、考え模索する。
どうもそのようでした。

国立大学の教員という比較的恵まれた環境に慣れ、

どうにかしてもらえる、という思いが私の心の中に住み着いていたようです。

ポリグラフでの自律神経機能観察が、私の長年やってきた研究領域でした。
しかも、アナログ情報を丹念に観察することが研究者感覚を育てるには必要という思いが強くありました。
新宿鍼灸柔整専門学校をつくった(平成16年)時にも、1台、1千万円程かけて3台、ポリグラフシステムを用意しました。
教育成果には十分に貢献していると思います。
しかし、従来のポリグラフ装置は、操作に専門的なトレーニングが必要でした。
したがって、新宿の学校では、筑波技術大学の森英俊教授に非常勤でその指導をお願いしました。
ここ2年間ほど宝塚医療大学でポリグラフ指導をしようと大学と話し合ってきました。
しかし、なかなか実現しませんでした。
私が副学長であったこともあり、他の先生方に先んじて自分の期待するものを確保することにも抵抗もありました。
しかし、73歳の私に残された時間を考えるともはや限界かなと考え何とかしようと決心しました。
ようやく本気になったわけです。
2年間もの時間を空費したということへの悔いが残りました。
しかしそれは誰のせいでもなく、私自身の怠慢にこそ原因がありました。
必死になって求めてみると道が開けたのです。

アメリカ合衆国Biopac Systems Inc社製の基礎医学実習システムに出会いました。
使用する機会を得て、びっくりしました。
機械操作の専門性はほとんど必要ないのです。
パソコンがいじれれば大丈夫ということです。
これは誰にでも操作ができる。
ということは、臨床の場に持ちだして使用できるということです。
これはすごいことです。
従来のシステムは、臨床の場で、誰でもが用いるには不向きでした。
コンピュータ技術が専門的な操作を一切抜きにしてくれているのです。
本気で取り組めば、道は開けるという思いです。

鍼灸臨床が、自律神経機能の所見を得ながら、それに対応した治療をする時代が来ます。
科学的なレベルで鍼灸臨床ができる時代の幕が拓かれます。