1月14日 司馬遼太郎「坂の上の雲」を読む、という書名の本を




関西大学名誉教授 矢沢永一著 幻冬舎
 

司馬遼太郎先生の「坂の上の雲」がNHKテレビで3年がかりで放送されました。

実は、私は教員になって以来、長編小説を読まないようにしてきました。
一定の時間、頭を占領されたくない。という思いからでした。
短い時間の空白は気分転換によいのですが、長編の小説となると数日は占拠されます。
それは困るという思いでした。

最後から2回目の放送の時でしたでしょうか。
戦艦三笠で船員が入浴しているシーンがありました。
ナレーションで身体を清潔にし、消毒した戦闘着を着て海戦に臨むとあり、それは兵員の戦闘による外傷の化膿を予防しようという策であるとのことでした。
日露戦争での日本海軍はそこまでしていたのかと感心しました。
まことに本気です。
そこで原作ではどのように書いてあるのであろうかと興味がわき、早速本屋さんで求めました。
文春文庫では、
8巻(最終刊)にその場面がありました。
原作では衣服だけではなく、艦内をくまなく消毒するとありました。
戦艦が砲弾を受け破壊されるとその破片での外傷が多いので艦内も消毒とのことでした。
そこまで準備を整えた海軍をつくっていました。
「まことに小さな国が、開花期をむかえようとしている。」という明治時代人は大変な力を振り絞って國造りをしていたという思いが強烈です。
大変な本気です。

「坂の上の雲は」明治20年代、30年代ですが、明治27年日清戦争、明治37年日露戦争程度の知識しかない私には、明治からの日本の歴史を学ぶテキストです。
これより先の江戸、幕末は、「胡蝶の夢」、「龍馬がゆく」で学べますが、幕末から明治、大正における司馬文学が示してくれる日本人の生き方、考え方、それが昭和に平成にどのように関わっているかという生き方の筋道を矢沢永一先生の解説書が整理され示してくれています。

「坂の上の雲」と共に司馬遼太郎「坂の上の雲」を読むに親しまれることをお勧めします。



なおついでに内田 樹著、「日本辺境論」つないで読むと日本人に対する理解が高まります。