1月29日 「死の科学」が教えてくれること

「死の科学」が教えてくれること、は、田沼靖一(たぬませいいち)著、「ヒトはどうして死ぬのか」ー死の遺伝子の謎ー、幻冬舎新書の第6章のタイトルです。

地球上に生命が誕生したのは、およそ38億年前。

DNAを遺伝情報として持つ始原生物が現れたのは、約35億年前。

その後、原核生物だけの時代は実に20億年も続いた。
原核生物は、遺伝子のセット(ゲノム)を一組だけ持つ「一倍体」の生物。
一倍体の生物は、同じ遺伝子をコピーしながら無限に増殖を繰り返し、“親”も“子”もなく絶えず殖えていく生き物。そこには、急激な環境変化などによる「事故死」が起こる以外、自ら死んでいくという「死」は存在しない。

DNAを収納しておく「核」を持つ「真核生物」が誕生したのは、いまからおよそ15億年前。

最初に出現した真核生物は一倍体でしたが、その中から「接合」によって一時的に二倍体になるものが現れてきた。・・・。約10億年前細胞が集合体をつくり一つの個体となる多細胞生物が生まれた。
このような多細胞真核生物が大型化し、人間のような高等動物にまで進化を遂げてきた。

二倍体細胞生物は、父親と母親から一組ずつ遺伝子のセットを受け継ぎ、二組のセットを持つ生き物。
二倍体細胞生物お誕生とは、地球上に初めて「オス」「メス」という「性」が現れたことを意味している。

生命進化の歴史を見ていくと、「死」という現象が現れるのはまさにこの時。
つまり、二倍体生物が誕生して「性」が現れたとき、同時に「死」が生まれたーーと言うことができる。
と論が進められます。

アポトーシス、アポビオーシスという「死」が二重に組み込まれていることで、確実に個体が死に、古い遺伝子をまるごと消去できるーーこの二重の死の機構が、次世代、その次の世代へと続く生命の連続性を担保しているのでしょう。

個体の死は「有利な突然変異を活かす」という観点からも、その必要性が見て取れます。

死を生命の進化、連続性のために意味を持つ仕組まれているものとしておられます。

学問の進歩はすばらしいことです。種々の問題を解決する視点を与えてくれます。

本書、是非お読みください。こだわりをなくし、さわやかな幸福感に満たしてくれます。